キャリアコンサルタント

Career Consultant — 人の可能性を引き出し、キャリア形成を支援する専門職

国家資格(2016年〜)

キャリアコンサルタントとは

キャリアコンサルタントは、2016年に「職業能力開発促進法」の改正により国家資格化された専門職です。求職者・在職者・学生のキャリア形成を専門的に支援し、個人が自らのキャリアを主体的に設計・実現できるよう援助することが主な役割です。

単なる就職支援にとどまらず、労働市場の知識・職業能力の評価・傾聴を中心としたカウンセリング技術を組み合わせた専門性が求められます。変化の激しい労働環境の中で、個人のキャリア自律(オーナーシップ)をサポートする役割は社会的ニーズが高まっています。

キャリアコンサルタントは名称独占資格であり、試験合格者のみが「キャリアコンサルタント」を名乗ることができます。5年ごとの更新制が設けられており、継続的な学習が求められる資格です。

主な業務・役割

  • キャリア相談(個別・グループ) — 個人のキャリアに関する悩みや目標を傾聴・整理し、自己理解・意思決定を支援するカウンセリングを実施する
  • 就職・転職支援 — 求職者の強みの発見・求人情報の活用・応募書類作成支援・面接対策を総合的に支援する
  • 職業能力評価 — 各種アセスメントツール(職業興味検査など)を活用し、個人の適性・強み・価値観を可視化する
  • キャリアプラン作成 — 中長期的な視点でのキャリア設計を支援し、目標実現に向けた具体的なアクションプランを一緒に策定する
  • 企業内研修・セミナー — 企業のキャリア研修・若手社員向けキャリア形成プログラム・管理職向けOJTなどを企画・実施する

必要な資格・試験

国家試験の概要

国家試験は学科試験と実技試験(論述+面接)の2部構成です。実施機関は「特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会」と「特定非営利活動法人日本キャリア開発協会(JCDA)」の2機関があり、どちらで受験しても同等の資格が取得できます。

受験資格と取得の流れ

  • 養成講座の受講(推奨) — 厚生労働大臣認定の養成講座(約3ヶ月・費用15〜30万円)を修了することで受験資格を取得。実技試験対策も含まれる
  • 実務経験ルート — 3年以上のキャリアコンサルティング実務経験がある場合、養成講座なしで受験資格を取得可能
  • 更新制(5年ごと) — 資格取得後は5年ごとに更新が必要。更新には一定の知識講習(8時間以上)と技能講習(30時間以上)の受講が義務付けられている

上位資格:キャリアコンサルティング技能士

国家資格キャリアコンサルタントの上位資格として、2級・1級キャリアコンサルティング技能士(技能検定)があります。特に2級は実務経験者が専門性を証明するために取得するケースが増えており、企業や機関での評価も高くなります。

活躍の場(職場環境)

ハローワーク

公共職業安定所での求職者支援。就職相談・職業紹介・マッチング支援の最前線

就職支援機関

地域若者サポートステーション・女性しごと応援テラス・再就職支援機関などで個別相談を担当

大学キャリアセンター

学生の就職活動支援・自己分析・業界研究・OB訪問サポートなどを通じたキャリア教育

企業HR部門

社内キャリア支援・従業員のキャリア面談・1on1の実施・キャリアラダーの整備

民間人材会社

転職エージェント・派遣会社・人材紹介会社でのキャリア相談・マッチング支援

独立・フリーランス

個人事業主として相談料・研修講師・執筆などで活動。副業としての活用も拡大中

年収・キャリアパス

キャリアコンサルタントの収入は、雇用形態・専業か副業か・活躍領域によって大きく異なります。

200〜500万円(幅広い)
  • 非常勤・パートタイム — 150〜250万円程度。ハローワーク・大学などで非常勤勤務の場合。副業として活用するケースも多い
  • 企業HR部門(正社員) — 300〜450万円程度。人事職の給与体系に準じるため安定している
  • 民間人材会社 — 300〜500万円程度。成果報酬・インセンティブ制により高収入も可能
  • 独立・研修講師 — 収入の幅が最も大きく、年収200万円未満から1,000万円超まで。実績・専門性の構築が収入を左右する

向いている人の特徴

キャリアコンサルタントとして力を発揮するためには、以下のような特性が重要です。

人の可能性を引き出すことが好き 労働市場・産業への関心がある 傾聴力・共感的理解が高い 自身のキャリアを自律的に考えられる 変化・新情報のキャッチアップが得意 質問力・問いかけが上手い 中立的・価値観に偏らない姿勢がある

キャリア形成のポイント

キャリアコンサルタントは、取得後の継続的な実践と学習が重要です。スーパービジョンや事例研究に参加し、自己の相談スキルを磨き続けることが成長の鍵です。また、HR Tech・AIを活用したキャリア支援や、特定業界(医療・IT・教育など)への専門特化により差別化を図ることで、より高い付加価値を提供できるようになります。

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